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株式会社 誠心
 アクラス開設20周年記念感謝の集い
看護師時代 当時の同僚と

ごあいさつ
アクラス20周年に寄せて
――理想の介護を追い求めて――

株式会社 誠心
代表取締役

高齢者の幸せを第一に
――その想いから始まった歩み――

太宰府市五条の地で、介護付有料老人ホームをはじめ、訪問看護・介護事業を展開してまいりました株式会社誠心は、第一号施設「アクラス五条」の開設から、おかげさまで20周年を迎えました。この節目を迎えられたのは、ひとえに地域の皆さん、そして入居者・ご家族の皆さんの温かいご支援とご理解のおかげです。心より感謝申し上げます。

「アクラス五条」を開設するにあたり、私たちが掲げたのは「高齢者の幸せを第一に考えた介護の実現」でした。「施設は家、入居者と職員は家族」という考え方のもと、職員一人ひとりが力を合わせ、入居者の皆さんの誇りと尊厳を守り、安心して幸せに暮らしていただける場所を目指してきました。

なぜ私がそのような想いを抱くに至ったのか——。それは、私自身の看護師としての原点にあります。私、吉松泰子は、20年以上にわたり看護師として現場に立ち、看護・介護に携わってきました。その中で、常に抱いていた疑問があります。それは「医療の優先が、患者さんや入居者の人間性をないがしろにしていないか?」「介護や看護が、ただの作業、機械的な対応になっていないだろうか?」ということでした。

看護師時代
訪問看護時代

人は誰もが、人間としての誇りを持ち、幸せに生きる権利があります。だからこそ私は、看護や介護の現場で、患者さんや入居者お一人おひとりの人生に敬意を払い、その人らしさや個性を大切にしたいと考えてきました。

しかし、そうした私の考え方は、当時の職場ではなかなか理解されませんでした。「あなた、やり過ぎよ」「吉松さんがそんなふうにすると、私たちもそうしなきゃいけなくなるじゃない」などと、反発を受け、次第にいじめのような扱いを受けるようになったのです。

「それならば、自分の理想とする場所を自分でつくろう」——そう決意した私は、介護事業所の運営会社を立ち上げることを決心しました。その後、ありがたいことにご縁のある方を通じて福岡銀行様をご紹介いただきました。私の思い描く介護の理想について、丁寧に、熱意をもってお伝えした結果、共感をいただくことができました。こうして、ようやく念願であった会社設立への第一歩を踏み出すことができたのです。

“理想の介護”をかたちに
――誠心の挑戦とアクラスの進化――

アクラス五条

2004年7月、株式会社誠心を設立。約1年の準備期間を経て、2005年9月、介護付有料老人ホーム「アクラス五条」を開設しました。私たちは、「相手に喜んでいただくために行動すること」が、介護・看護に携わる者として最も大切な姿勢だと考えています。職員全員が、職種や立場を超えて「入居者の方を幸せにする」という共通の目標を持ち、日々取り組んでいます。そしてその理想を叶えるために、「現状に甘んじることなく、常に進化し続ける」ことを大切にしてきました。

そんな私たちは、アクラス五条の運営を続ける中で、あることに気付きました。それは、「ここにはまだ、足りないものがある」ということ。具体的には、「社会とのつながり」や「入居者の皆さんがもっと誇りを持って、いきいきと暮らしていただくための環境」でした。その想いから、何度も試行錯誤を重ねた結果、2011年11月、アクラス五条の隣接地に新たに誕生したのが、社会型有料老人ホーム「アクラスタウン」です。

アクラスタウン
アクラスタウン

アクラスタウンは、「人が集い、心がつながる住まい」をテーマに、あらゆる世代が互いに自立しながらも支え合い、共に暮らすことを目指した、まったく新しいかたちの集合住宅です。地域交流を促進するため、近隣の方々も利用できるカフェや食事処、そして作家たちの作品が並ぶギャラリーを併設。建物の外観・内装には天然の無垢材をはじめとする自然素材をふんだんに使用し、まるで高級旅館やペンションのような、心安らぐ雰囲気をつくりあげました。入居者の皆さんからは「ここに住んでいることが誇りです」との声をいただきます。その誇りが、心の張りや、生きるエネルギーにつながり、毎日をより前向きに、いきいきと過ごしていただけているのです。

こうした取り組みは、第三者からも高く評価されました。2014年9月には、アクラスタウンが、高齢者住宅経営フォーラム協議会(高経協)主催の、日本一の高齢者住宅を決めるイベント「リビング・オブ・ザ・イヤー」において、初代グランプリを受賞。私たちの理念と挑戦が、確かなかたちとして社会からも認められた瞬間でした。

さらなる進化を求めて
――アクラス五条リニューアルとその先へ――

アクラスタウンが着々と理想のかたちへと育ち、入居者の皆さんの笑顔がよりいきいきと輝いていく中で、私の中にふと、ある疑問が芽生えました。「アクラスタウンの入居者の皆さんは、確かに幸せそうに暮らしている。では、アクラス五条の入居者の皆さんは、本当に今、心から幸せを感じていただけているだろうか」。当時のアクラス五条は、設備面や社会とのつながりの部分で、隣接するアクラスタウンに後れをとっている状況でした。「このままではいけない。アクラス五条にも、もっと社会との接点を設けよう。入居者の皆さんが、この場所に住んでいることを誇りに思えるような、プラスアルファを加えよう」。そんな想いから、2014年1月にアクラス五条のリニューアルを実施しました。1階を高級ホテルのラウンジのような空間とし、そこにカフェやスポーツジム、整体院を併設しました。入居者はもちろん、地域の方も自由にご利用いただける憩いの場として大変好評をいただいています。

アクラスヴィレッジ

その後も、「高齢者の幸せな暮らしには地域とのつながりが不可欠」という想いを胸に、2014年12月にはサービス付き高齢者向け住宅『アクラスヴィレッジ』を、2018年8月には住宅型有料老人ホーム『あくらすJ』を開設いたしました。

私たちは「アクラス」という名前に、「Aクラス(上級・上質)」と「暮らす」というふたつの意味を込めています。ただ住まうだけではなく、上質な空間の中で、その方らしく、誇りを持って暮らしていただきたい——そんな願いが、この名前には込められています。「アクラス」という名のもとに生まれたそれぞれの施設は、単なる住まいではなく、「人生を豊かにするための居場所」でありたい。その信念のもと、私たちは理想の実現に向けて、これまで着実に進化を重ねてきました。

あくらすJ

高齢者の幸せと尊厳を
守る場所であり続けるために

アクラススタッフと

私たちが、介護・看護の仕事において何よりも大切にしているのは、入居者の皆さんが「人生の最終章を生きること」を、単なる時間の経過としてではなく、その人らしい喜びと誇り、そして愛情に包まれた日々として感じていただくことです。人生とは、決して平坦な道のりばかりではありません。誰もが苦しみや悲しみ、試練を乗り越えながら、自分だけの物語を紡いでこられたはずです。だからこそ、私たちは入居者お一人おひとりが歩まれてきた人生に、深い敬意と感謝の気持ちを持ち続けています。その積み重ねの中で育まれた“その方らしさ”を尊重し、その方がその方らしく、誇りを持って暮らしていただける場所をつくること。それこそが、私たち誠心の原点であり、これからも決して揺らぐことのない使命です。

また、私たちは施設の中だけで完結する介護や看護ではなく、地域社会とのつながりを大切にし続けます。地域に開かれた場所だからこそ、人と人がふれあい、助け合い、喜びを分かち合える環境が生まれます。そうした地域の力が、入居者の皆さんの心に豊かさをもたらし、職員自身の誇りややりがいにもつながっていくのです。

開設以来、「高齢者の幸せを第一に考えた介護の実現」を掲げ、歩み続けてきた私たち誠心。
これからも、現状に満足することなく、理想を追い求め、入居者の皆さんの幸せと尊厳ある暮らしの実現に向けて、一歩一歩、前進してまいります。